第三章3 ドラスクとffとパクモン

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 アラシは笑いながら、肝心のことを尋ねる。 「火薬で発射するんじゃないのか?」 「かやく? なにそれ?」  どうやら、根本的に銃の原理を理解してないようだ。  銃が武器として広まってないとすると、構造が理解されてないのだろう。  あるいは、ff流の武器自体が、火薬を使わないとか。  プレイしたことはないので、アイテムの細かい設定までは知らない。  なにせffも、アラシが物心つく頃には、とっくに消えていたゲームだ。 「ff流の使い手は、この街にはいないのか?」  アラシが問うと、待ってました!   と言わんばかりに、シリカが答えた。 「ジェード隊長はff流の戦士なんだよ!」 「ジェード?」 「ジェードさんは、この街で一番強いんだ!」  とシリカが鼻を膨らませて言うが。  そこにヨナが割り込んできた。 「なに言ってる。ラルフ隊長のほうが強いぜ」 「そっちこそなに言ってんの。ジェード隊長は本物の魔装具(まそうぐ)使いだよ!」 「魔装具(まそうぐ)ならラルフ隊長だって持ってるじゃねえか」 「ジェード隊長のほうがスゴイよ!」 「あの人、ff流だけど召還獣を持ってないし」 「それは……。ラルフさんだってドラスク流だけど、大して力がないじゃん」 「ラルフさんは素早い攻撃が得意なんだよ!」 「ジェード隊長なんか、二つの槍を使いこなせてカッコイイんだから!」 「戦士の強さとカッコよさ、関係ねえだろ!」  なによ! なんだよ! とにらみ合うシリカとヨナ。
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