一話 

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目の前には腕の長さほどの細身の剣と日光を乱反射させて透明に輝く魔宝石、それに真っ白な生クリームにイチゴの乗ったケーキがある。遠慮がちにこじんまりしたケーキの上には二本のロウソクが背筋を伸ばして光を放っている。 つまり何が言いたいかというと、今日僕は14歳の誕生日を迎えたのだ。 「誕生日おめでとう!ユーシャ、テア」 父のデイアンと母のセルアが声を合わせ、僕らはそれに合わせて光に息を吹きかける。 ゆらめいたかと思うとロウソクの先は輝きを失い、代わりに僕らの目の輝きが増していく。
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