一話 

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僕は両親と三つ上の姉テアの四人家族で暮らしている。だけど僕は本当の息子ではない。 8歳のとき父デイアンが「おまえは本当は私の親友の息子なんだよ」と教えてくれた。 「じゃあそのパパとママはどうしたの?」 「もういなくなっちゃったんだ」 「魔王のせい?」 僕がたずねると、父は僕から目をそらしそこに遠い記憶があるかのように窓の外を眺めた。 いつもは寝ている時間だったので外は暗く静かだった。 「そうだね...魔王がすべてを変えてしまった、すべてを...」 そうつぶやいた父の横顔は、子どもの僕にはできないとても寂しげな表情をしていた。
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