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目を覚ませば朝だった。いつの間にか眠っていたらしい。
部屋の扉を開けて、部屋の外に出る。相変わらず長い廊下だ。
「あぁ、桜。ちょうど部屋に行こうと思っていたんだよ」
裕太さんが少し離れたところから声をかける。
廊下を歩いて私のところまできて、「おはようございます」と言う私に「さあ行こうか」と言いまた歩きだした。
私は裕太さんについて行く。昨日入った部屋に入る。
長テーブルの上には食事が並べられている。
「さぁ、食べて」
裕太さんに椅子に座るよう促され、私は椅子に座る。
「ありがとうございます」
クロワッサンを3つ、ホットミルクを一杯、コーンスープを一杯。
それだけ食べてお腹がいっぱいになる。
「今日はね、買い物に行こうと思うんだ。君の服や、学校へ行く用意をしなきゃね。学校への入学手続きはもう済ませておいたよ。風呂に入ったら出かけようか」
にこやかにそう話す裕太さんに「ありがとうございます」と笑いかけると彼は嬉しそうにした。
食事が済むと、雪さんがやってきて、私を案内してくれた。裕太さんは用意があるから、と私と雪さんを2人きりにした。
廊下を歩いてる間会話が1つもなくて気まずい雰囲気が流れ続けた。
「では。ここが風呂場なので……私はこれで」
素っ気なく私の前から立ち去ってしまう。
私は目の前のドアを開ける。広い脱衣所。その奥には広い入浴場。1人でこんなに広い場所で入浴するのは初めてだった。
やっぱり、ここも静かだった。
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