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入浴を済ませ、髪を乾かして、用意された服を着る。
脱衣所の扉を開けたところで待っていた雪さんに驚きつつ、「お待たせしました」と声をかけるが、綺麗に無視されてしまう。
黙って歩きだした雪さんの後をついて行き、どこかもわからない部屋のドレッサーの前に座らされ、髪を綺麗に結んでもらう。
「髪の毛、結ぶの上手なんですね」
最後に髪飾りをつけてもらい、綺麗に編まれた髪を見て私が話しかけると雪さんは嬉しそうに笑った。
そして何か言おうと口を開きかけた。が、それとほぼ同時に裕太さんが部屋に入ってくる。
「桜!とっても素敵だね。これもつけてみてくれないかな?」
私を見ると嬉しそうに笑い、私に小さな桜のイヤリングを渡す。
「ありがとうございます」
私はそう言いイヤリングを受け取る。ピンクなんて、私に似合うのだろうか。昨日とはまた違うデザインの桜のワンピースを眺める。
「また敬語になってるよ」
なんて裕太さんに言われながらイヤリングをつける。
裕太さんは、桜が好きなのかな。なんて思いながら。
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