2.学校、へ。

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その次の日からだった。雪さんが私に声をかけてくれるようになった。 でもそれは、家の中だったり、車の中だったり、学校外での出来事だった。 「実は、私も身請けされたの」 ある日、雪さんはそっと私に教えてくれた。 自分は下級の遊女だったと。私より半年前にここに来たこと。私のことはよく人から聞かされていたこと。本当は私と仲良くしたかったことなど。 「話してくれてありがとう。雪さん、これからよろしくね」 「雪、と呼んでください」 「じゃあ、私のことも桜って呼んで」 私たちはこうして、少しづつ仲良くなっていった。 私が花魁だったことは聡以外は誰も知らなかったみたいで、私が花魁だという噂すらもされることはなく、聡と私が花魁だった話もしなくなっていった。 「ねえ、今度、服を買いに行かない?」 私が車の中でそういうと雪は表情をぱっと明るくする。 「行きたい!今度の休みに行きましょう!」 雪はそう言い私に行きたいお店はないのか。と聞いてきた。 私は全く分からなかったので 「雪の好きなお店を教えて」 と答えた。 雪は嬉しそうにいろんな店の話をしてくれた。 「裕太さんに外出許可をもらわなくちゃね」 雪が嬉しそうに話す。 「できれば私と雪の2人で出かけたいな」 私がそういうと、「それも話してみようか」と雪が言った。
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