11人が本棚に入れています
本棚に追加
「桜を初めて見た時、君しかいないと思った。それと同時に君が他の人に触れられるのが嫌で仕方がなかったんだ」
そう言いながら裕太さんは私の髪の毛をすくう。
「君はこの世界で1番美しいよ」
そう言い、ふっと笑う裕太さん。
私の頭をぽんぽん、と撫でて「寒いから戻ろうか」と続けた。私は頷いて裕太さんの後を追いかける。
「さあお休み。素敵な夏にしようね」
そう言いながら裕太さんは私の部屋の扉を閉めた。
「おやすみなさい」と返して私は布団に潜り込む。
桜が好きだから私の名前を桜にしたの……?
それとも私と桜の花を同じだと見ているの……?
他の人に触れられたくないって、どういうこと……?
裕太さんは……こんな私を愛してくれているの……?
いろんな考えがぐるぐる頭の中を回る。
いつのまにか寝ていたみたいで、気づいたら朝が来ていた。
最初のコメントを投稿しよう!