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グイッと引き上げるように触れた。
「 な、な、何するつもりよ!!? 」
彼の読めない行動にアタフタとする美好。
そんな彼女の姿に フッ と口角を緩めた。
「 接吻を交わして契約を行おうと思ってな。 」
「「 はっ?!! 」」
美好の頭の中で " 接吻=キス " と
浮かび上がり顔を赤らめる。
「 子供とキスした程度で何も思わんから安心しろ娘。所詮、気持ちの介入のない唇の触れ合いなど
手と手が当たった程度のものだ。 」
今までに至って交際経験のない美好にとって
ファーストキスは重大な問題だ。
「 他に契約する手段は無いわけ?! 」
「 あればそうしている。 」
男が話すには契約を行わなければ
神力は体内に秘めたままの状態で
力を解放する事は出来ないとの事。
美好は手段を受け入れない理由には
行かなかった。
「 ・・・ほら、さっさと終わらせてよ 」
不機嫌な顔をした彼女は不満げに
目を閉じた。
彼女の唇に、男の唇が重なる。
初めてのキスの感触に戸惑いが
隠せない美好。
男は依然として無表情な顔つきで
淡々と話す。
「 これで契約完了だ。 今宵から私はお前に仕える。
簡潔に言うとお前が行う務めの補佐のようなものだ。
それじゃあな、娘。 」
暗がりの寒空の下で去って行く男。
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