第三章 「少女は神となる。」

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グイッと引き上げるように触れた。 「 な、な、何するつもりよ!!? 」 彼の読めない行動にアタフタとする美好。 そんな彼女の姿に フッ と口角を緩めた。 「 接吻を交わして契約を行おうと思ってな。 」 「「 はっ?!! 」」 美好の頭の中で " 接吻=キス " と 浮かび上がり顔を赤らめる。 「 子供とキスした程度で何も思わんから安心しろ娘。所詮、気持ちの介入のない唇の触れ合いなど 手と手が当たった程度のものだ。 」 今までに至って交際経験のない美好にとって ファーストキスは重大な問題だ。 「 他に契約する手段は無いわけ?! 」 「 あればそうしている。 」 男が話すには契約を行わなければ 神力は体内に秘めたままの状態で 力を解放する事は出来ないとの事。 美好は手段を受け入れない理由には 行かなかった。 「 ・・・ほら、さっさと終わらせてよ 」 不機嫌な顔をした彼女は不満げに 目を閉じた。 彼女の唇に、男の唇が重なる。 初めてのキスの感触に戸惑いが 隠せない美好。 男は依然として無表情な顔つきで 淡々と話す。 「 これで契約完了だ。 今宵から私はお前に仕える。 簡潔に言うとお前が行う務めの補佐のようなものだ。 それじゃあな、娘。 」 暗がりの寒空の下で去って行く男。     
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