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円堂 薫である。
美好とは小学生の頃からずっと同じ学校に
進学し続けており幼馴染みでもある。
「 あんたの所、祭りするんだって? 」
狭い地域な上に、ご近所に貼り出された
神社の祭りの広告はあっという間に
周知されていたようだ。
「 そんな事してまで神様なんか守る必要
あるのかなぁー・・・。」
「 神社の孫娘のあんたがそんな事言って
どうするの??」
「 神様がいるなら、最上先輩と付き合えるように
して欲しいなあ~ 」
呆れ返った親友の顔を横目にクスッと笑う。
ー神様なんて、居るわけない。
小さい頃から今も変わらずそう思っている。
もしも神様が居たのならばあの時どうして
助けてくれなかったのだろうと咎めたくなる。
一日の授業を終えて疲弊した身体で
自宅へと続く帰路を辿っていく。
学校からもよく見える山の上に聳え立つ
神社こそが私の自宅なのだ。
長く続く山道を登っていると
白髪の少年を見掛けた。
(山の中で何してるんだろう。この辺りは誰も
住んでない筈だし……。)
少年の風貌に違和感を感じながら
美好は声を掛けた。
「 あのー・・・。 」
振り返った少年は綺麗な白髪で
無造作に伸ばされ左分けにされた
前髪は目に掛る程に伸び切っていた。
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