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第二章 「私は普通の女子高生。」
ー翌日。
朝から祭り事の準備に追われている
祖父と父を横目に溜め息を吐く美好。
昨晩は少年の言葉が頭から離れず
一睡も出来なかった模様だ。
(迎えに来るってどういう意味なのかな。)
日頃の行いが悪かったせいで
地獄へでも葬られてしまうのではないかと
不安になる彼女の中での少年の存在は
「 神 」として位置付けられているようだ。
何の変哲もない至極普通の女子高生で
普通な毎日を送っていた筈なのに
昨日からは何処か普通とは言い難い時間を
過ごしてしまっている。
そんな彼女の気苦労も知らず時間は
刻々とその時へと近付いていた。
親友の薫に相談したいがきっと
自分が何を言っても信じては
くれないだろうと思いながらも
美好は落ち着かないこの感情を
誰かに打ち明けたくてダメもとで
薫のスマートフォンを鳴らしていた。
『 どうしたぁ? 』
いつもと変わらない薫の声に少し安心
しながら美好は話し始めた。
「 えんちゃん、私昨日ね不思議な事が
あったの。 信じてくれそうにないけど…。 」
『 えっ、何なのよ急に? 』
「 神社の近くの山の中で白髪の男の子に
月が満ちる時に迎えに行くって言われちゃって
それが今日なのよね。 」
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