第三章 「少女は神となる。」

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第三章 「少女は神となる。」

『 何で弟のことを・・・? 』 目の前の男は、少し間を置くと口を開いた。 「 話せば長くなるが聞くか? 」 美好は男の言葉にコクンと頭を頷かせた。 「 過去のお前はこの時代で拝まれている神という存在だったのだ。しかし、こちらの時代のお前は呪いを掛けられてしまったのだ。そこで過去のお前は神力を悪用しようと目論んでいる奴らに自分の力が奪われないようにと現代のお前へと力を継承させたのだ。神力を持たぬ神は同時に死を意味するからな・・・こちらの 時代のお前は息を引き取ったのだ、美好。 」 信憑性のない話ではあるが目の前に居る この男が嘘をついているようには思えない。 「 仮にその話が本当だったとして、弟の事はどうして知っているの? 」 「 私は代々神に仕える者だ。仮初の姿でそちらの時代のお前を調査していたのだ。 お前が弟を救い出すしか手立ては無いだろうな。」 ー私が殉太(じゅんた)を救い出すっていうの? でも、この話が本当なら私が此処で神として 生きて行けば殉太を助け出す事が出来るのよね。 『 神様って何したらいいのよ 』 不機嫌な顔つきは未だ変わってはいないが 美好の選択は変えられようだ。 男は美好の顎へと指先を伸ばし     
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