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「…俺が、貴方の横にいることで貴方が恥をかくかもしれません」
それが一番心配なこと。
壱さんと俺では、釣り合わないことぐらい分かってる…
「…俺とお前が、釣り合わないとか思ってたら許さねえぞ」
思っていることを当てられ、ギクッと肩が揺れる。
「俺が、お前を選んだんだ。…今更なしにするのか? 俺の事、嫌いになったのか…」
「違いますっ!! 嫌いになんてなりません…!」
だから、そんな顔しないで…
「だったら、そんなこと考えるな。お前の隣は俺しかいねぇんだよ」
その言葉が嬉しくて、嬉しくて…。
思わず、壱さんの首に腕を回し、抱き着いた。
「俺の傍にずっといろ」
「っ…はい」
甘くて重い愛の言葉は、きっと俺の言葉を絶対に話してくれない。
まるで貴方と俺を繋ぐ鎖のように、俺の心を虜にさせる。
……甘くて、痺れる。
でも、小さい頃の出会いが、
俺の人生をめちゃくちゃにするなんて思いもしなかった…。
――…とある一室で、綺麗な金髪をくるくると指で弄んでいる男がいた
「…ゆうくんに会いたいなぁ……僕のこと覚えてるかな…」
男は薄い、艶やかな唇をひと舐めすると、口角をあげた
「……君に相応しいのは僕しかいないでしょ…?」
そう呟きながら、綺麗な少年が写っている写真にキスを落とす。
「もう少ししたら迎えに行くから…待ってて…ゆうくん」
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