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「壱さんに限ってあり得ないと思いますが、壱さんはαですからね…気を付けてくださいよ」 「…うん、大丈夫だよ」 Ω…それだけで世間からの見られ方は違う。 俺の家族は、母さんと俺と、言ってなかったが中三になった妹もΩだ。 父さんはαでそれを継いだように兄さんもα。 妹も俺も、αの血が流れてるから 俺たちがΩだと知らない人は、俺たちのことをβかαと思うらしい。 だけど、長谷部は過保護だし、一人娘がΩらしくて、αと接触がある日は必ず「気を付けるように」と注意される。 長谷部と少し言葉を交わすと、車をでて無駄にでかい家の門を潜る そして、門から家の入口まで無駄に長い道にずらーっと組員が並ぶ 俺が通ると頭を下げる組員。 …いつになっても恥ずかしい…慣れない。 小さい頃からの見慣れた光景だけどやめてほしいのが本音だ 最初は「やめてほしい」と父さんに言ったんだけど、 「そんなこと言われてもなぁ…」 と困ったように笑われた。 だからせめ頭を下げるだけにしてくれと頼んだ。 普通は「お疲れ様です」とか「お気をつけて」とか言うんだけど、うるさいって言っちゃ悪いけど…そういうのは苦手だと言ったら父は、仕方ねぇな…って言って渋々了承してくれた
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