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厨房の入口…
そこに、壱さんが…いた。
壱さんはこっちに向かって歩いてくる
…すごい形相で。
人を殺すような顔で。怖すぎ…
俺に抱き着いてる藍も、カタカタと体を震わせ、生きてるのかを疑うほど唇が紫色になってる。
何故か壱さんと同じ空間にいるだけで、息がつまる…。
苦しいけど、引き込まれる…
逃げなきゃ。頭の中で警報が鳴ってる。
でも、その真っ黒な瞳に囚われて逃げられない…
逃げるどころか、目を逸らしたくない。
怖いのに、やめられない…逸らせない…虜になる…
ダメだ、危険だ。頭の中では分かってる。
でも、彼がその瞳で俺を見つめて…どこか嬉しそうに口元を歪ませるから…。
勘違いする。
___瞬間。
ビリリリッ!!!!とした電気が体に流れたような気がした。
当時にお互いの体からフェロモンが溢れ出す。
周りを巻き込んで。
俺たちの匂いに変わる。
そこにはなにもない…繋がりもない。運命だけだ。
運命だなんて信じない
いつだったかそう言ったのを覚えている
でも、これは運命…。
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