気持ち

14/27
前へ
/158ページ
次へ
俺の頬を撫でながら、何かを言いたそうな顔をする彼。 だけど言いにくいことなのか、言い出せないのか口を開こうとしない彼。 言いたくないなら言わなくても良いんだけど… 折角だから、俺は伝えよう。心の内を。 「俺は、正直言って貴方と番になったことに実感がありません」 「……っ…」 壱さんが息を呑み、ぎゅっと強く抱きしめてくる 「…あぁ、勘違いしないでくださいね。…俺は貴方のこと、愛していますから。」 ふふっと笑いながら言うと、壱さんの肩の力が抜けていくのが分かった 「初めて昨日会って、番になって…ってさすがに早すぎると言いますか…そりゃ、番になった事に後悔はありません。でも、俺に貴方を支えられるのか……」 俺は壱さんを、サポートできるのだろうか。 彼はヤクザの息子で、その上、若頭なのだ 俺もヤクザの息子とはいえ、正直いって不安しかない。 でも、壱さんから身を引くのは考えられない。 どんどん愛しさが増して、一緒にいると安心できて…言葉では上手く言えないけど、俺は壱さんを愛してるから…離れるなんて絶対に無理だ。 「…お前は俺の傍にいて、幸せになってくれればそれでいい。」 その言葉がじわじわと、俺の心を蝕むみたい。 …ドキドキする
/158ページ

最初のコメントを投稿しよう!

349人が本棚に入れています
本棚に追加