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俺の頬を撫でながら、何かを言いたそうな顔をする彼。
だけど言いにくいことなのか、言い出せないのか口を開こうとしない彼。
言いたくないなら言わなくても良いんだけど…
折角だから、俺は伝えよう。心の内を。
「俺は、正直言って貴方と番になったことに実感がありません」
「……っ…」
壱さんが息を呑み、ぎゅっと強く抱きしめてくる
「…あぁ、勘違いしないでくださいね。…俺は貴方のこと、愛していますから。」
ふふっと笑いながら言うと、壱さんの肩の力が抜けていくのが分かった
「初めて昨日会って、番になって…ってさすがに早すぎると言いますか…そりゃ、番になった事に後悔はありません。でも、俺に貴方を支えられるのか……」
俺は壱さんを、サポートできるのだろうか。
彼はヤクザの息子で、その上、若頭なのだ
俺もヤクザの息子とはいえ、正直いって不安しかない。
でも、壱さんから身を引くのは考えられない。
どんどん愛しさが増して、一緒にいると安心できて…言葉では上手く言えないけど、俺は壱さんを愛してるから…離れるなんて絶対に無理だ。
「…お前は俺の傍にいて、幸せになってくれればそれでいい。」
その言葉がじわじわと、俺の心を蝕むみたい。
…ドキドキする
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