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それに、ヒートが来ていないからって子供ができたと、決めつけるのはまだ早いと思う
「…どうしたの?」
黙り込んだ俺に、不思議に思ったのか藍は尋ねてきた
「うん…、それがさ…」
壱さんとの間にあったことを、全て藍に打ち明ける。
勿論、アオイのことも。
それでも、藍はまだ中学生だから、内容を少し変えて話した
その間、藍は俺のしてきたことを責めることもせず、頷きながら聞いていた。それが、俺にとって、とても救いだった。
話し終えると、幾分か心が軽くなった気がした。
「そっか…」
呟くように藍は言うと、唐突に俺の頭を抱き込んだ。
「なにも、気づいてあげられなくてごめんね。…お兄ちゃんは頑張ってる…だから、もう、一人で抱え込まないで」
少し、涙声の藍に涙腺が緩んでしまう
「私じゃ、なにも力になれない。…でも、お兄ちゃんが辛いときに、傍にいることぐらいできるから」
すごく、暖かいと思った
久しぶりに、人の優しさに触れて、藍の腕の中で泣いてしまった
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