you do not love me

11/15
前へ
/158ページ
次へ
それに、ヒートが来ていないからって子供ができたと、決めつけるのはまだ早いと思う 「…どうしたの?」 黙り込んだ俺に、不思議に思ったのか藍は尋ねてきた 「うん…、それがさ…」 壱さんとの間にあったことを、全て藍に打ち明ける。 勿論、アオイのことも。 それでも、藍はまだ中学生だから、内容を少し変えて話した その間、藍は俺のしてきたことを責めることもせず、頷きながら聞いていた。それが、俺にとって、とても救いだった。 話し終えると、幾分か心が軽くなった気がした。 「そっか…」 呟くように藍は言うと、唐突に俺の頭を抱き込んだ。 「なにも、気づいてあげられなくてごめんね。…お兄ちゃんは頑張ってる…だから、もう、一人で抱え込まないで」 少し、涙声の藍に涙腺が緩んでしまう 「私じゃ、なにも力になれない。…でも、お兄ちゃんが辛いときに、傍にいることぐらいできるから」 すごく、暖かいと思った 久しぶりに、人の優しさに触れて、藍の腕の中で泣いてしまった
/158ページ

最初のコメントを投稿しよう!

351人が本棚に入れています
本棚に追加