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『失うくらいなら持たない方がいい』
これが私のモットーです。持たない方がいいというのは、人間との繋がり、つまりは交友関係のこと。
いつか人は死んで、親しかった人とは別れます。
それは自然なことで、何でもないことなのかもしれません。
しかし、それが私には耐えられないのです。
別れる、ということが私には耐えられません。
例えば、『さようなら』と言われたら、私も『さようなら』と手を振る。これだけで、なんだか悲しくて、寂しくて、泣きたくなってしまいます。
もちろん、本当に泣くことが無いように、しっかりと我慢します。
幼い頃から、この様な事がほぼ毎回のように続きました。
流石に耐えられなくなった私は、大学に進学し、交友関係を極端に絞り込みました。
会話は、同じ講義の人と極力話さない。
教授との会話も最小限に。
食堂では、本を読むことで会話を避けています。
大学で講義を終えた後もバイトを黙々とこなし、家に着いて日記を書いて、日付けが変わる前に寝る。
私の中の決まりです。ルーチンです。
そうすれば、何も考えずに済みます。
そして今日も、代わり映えのない一日がやってくるのです。
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