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「えっ? 良いんですか? ヤッター!」
「大したものはありませんが、どうぞ中へ」
男子高校生は足元に置かれた鞄を持って沙耶に近付く。
「俺、海斗って言います。でも良いんですか? 俺みたいのが急に来たら、みんなビックリしません?」
沙耶は海斗の笑顔に、沙耶は少し安心する。
「私は沙耶。ここは私一人しか居ないから安心して」
海斗は鞄の中にさりげなく手を入れる。
「そっか。それなら良かった。……もしかしてご飯食べてるところに来ちゃった?」
「いえ、これから作ろうかなって。さあ、どうぞ奥へ」
沙耶は店の奥へと戻りながら行った。
「そうなんだ! わざわざすいません」
そう言って海斗は鞄から手を出す。
海斗が『ご飯作って貰ってからにしよう』と思った事を、沙耶は知る良しもない。
「折角なんでお肉でも焼こうかなって、お肉は大丈夫ですか?」
「勿論! 大好きですよ」
海斗は沙耶の後を追う。
「さぁ、入って下さい」
沙耶は先にドアを開けて中に入ると、海斗の為に左手でドアを押さえる。
「私もお肉が好きなんです。久し振りに食べられて嬉しい」
そう言って笑う沙耶。扉の影に隠れの右手には大きな肉切り包丁が握られていた。
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