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話が逸れた。
そいつに会ったのは岡やんの家で遊んだ帰りだ。俺は家に帰る途中で、学校の校門前を通ると、誰かと待ち合わせをしているかのように、ぼんやりと校舎の上を眺めていた。
変なやつ、とすぐに思った。
見ているこっちが暑くなるような真っ黒い長袖シャツを着ていた。背中まである長髪は光の加減で黒にも灰にも見えた。お洒落なのかそうじゃないのか俺にはよく分からない。
手にはコーヒーショップでもらうようなプラスチックカップを持ち、半分くらいまで入った中身が揺れていた。
刺さったストローに口をつけると、苦くて死にそうな顔をした。
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