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「蚊を集めて研究していたんだ。『北関東鋳造所』の近くでね」
そうか、だから蚊が多かったのだ。
「君の血もわけてあげれば良かったのに。そうすれば助かったかもしれないのに。虫よけスプレーなんか用意しやがって・・・」
山下さんが悪意に満ちた顔で理沙の首をつかんできた。必死に抵抗するが男性の力には敵わない。殺されるかもしれないと思った。だんだんと体の力が抜けていく。
「おはよう。どうしたの二人とも」
危機一髪のところで設計室のドアが開く。谷中さんが出勤してきたのだ。
(助かった!)
山下さんが諦めたようで首にかけていた手を緩める
「谷中さん」
理沙は抱きつくとこう言った
「私を一生幽霊から守ってください」
「いきなりどうしたの?それに信じていないのではなかったの?」
「それじゃあ。蚊から守ってください。そのせいで血液が大量に混入した車が町中を走る事になります」
「なに?いったいどういう事?どうしたの二人とも」
理沙は警察署に電話をかけた。殺されそうになった事を通報する為だ。
これで蚊の恐怖からさよならできるとよいのだが・・・・・
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