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「ママ、みちゅけた」
「ママ、めっけ」
ドタバタと、そっくりなちっちな男の子と、女の子が部屋に入ってきた。
くりくりとしたまんまるお目めがすごくカワイイ。
「ママ、どちたの?」
「ううん、何でもないよ」
柚さんから離れると、代わりに二人して、膝の上にちょこんと座った。
「めぐみと、優輝。双子でやっと二歳になった所」
「あっ、このちゅと」
流石双子。息もピッタリで、同時に同じことを口にした。
「のぶにいにの、およめしゃん」
「そう、写真で見るより、何倍も可愛いでしょう」
「カァイイーー」
はもるのも一緒。
涙を手で拭いながら、自然と笑顔が零れる。
「写真って、ウェディングドレスの・・・ですよね!?」
「そう。そしたらこの子達、ナオの写真をもっと見たいって、駄々こねて・・・」
そう言って、柚さんはポケットから携帯を取り出すと、写真の一覧を見せてくれた。そこには、撮られた覚えのない写真を含め、三十枚近く、僕を撮影したものが。
「ここまできたら、ストーカー並よね。でも、このぐらい、兄貴はナオを愛しているって事だよ」
「柚さん・・・」
その時、障子戸に寄り掛かる人影に気が付いた。
みると、そこには、一央さんが。
「おれから、信孝兄貴に、パニックになった時どうしたらいいか話しをしておく。アドバイスぐらいにはなるだろう。一人ではどうしようもないが、ナオには、信孝兄貴や、馬鹿みたいに可愛がる昆や、龍がいるからきっと大丈夫だ」
「一央さん・・・」
無愛想なだけだと思っていただけに、その言葉は、心に深く響いた。
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