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翌日。早朝から元気一杯のチビちゃん達が、お腹の上で、ポンポン跳ね、あちょぼ、あちょぼの大騒ぎで、起こされた。
「ナオちゃん、のぶにいにと、らぶらぶ」
「お前ら、布団の中、入ってくるな、待て」
信孝さん、かなり、焦ってた。
それもそのはず。あのあと、何もしないから、肌を合わせて寝たい、そう言われて、二人して、上半身だけ裸で、抱き合って寝てたから。まさか、寝込みを襲われるとは、予想外で・・・。
「ナオちゃん、めんめと、だっこ」
「ゆうゆがちゃき」
めぐみちゃんと、優輝くんが、喧嘩を始め、二人ともむぎゅーーと抱き寄せると、場所を横取りされた信孝さんが、ぶすっとして、二人の脇の下や、首の後ろをこちょこちょとくすぐり始めた。
二人とも、くすぐったくて、布団の中を転げ回り、逃げ回り、キャッ、キャッと、黄色い歓声があがった。
二人と戯れる、信孝さんの顔はニコニコしてて、子供好きという、意外な一面に、正直、びっくりした。
その後、明日、家に帰る、そう柚さんに教えられた二人は、僕と信孝さんから離れようとはせず。丸一日、一緒に遊んだり、お散歩したりして過ごした。
やっと、二人きりになれる、と思ったお風呂にも乱入してきて、仕舞いには、布団にまで潜り込んできた。
「ごめんね」
柚さんは平謝りしてたけど、信孝さんは、すごくご機嫌だった。堀さんに、もう一組、布団を出してもらい、二つくっ付けて、真ん中に二人を寝せることに。
騒いでばかりで寝るまで一苦労だったけど、二人の寝顔は、まるで天使の様に可愛くて、一日の疲れなどすぐ吹き飛んでしまった。
「ねぇ、信孝さん」
朝からずっと気になっていた事を、思い切って言ってみることにした。
「ごめんね。僕、男だから、その・・・子供産むこと出来ない。信孝さん、子供好きなのに・・・ごめん」
「元気ないと思ったら、そんな事考えてたんだ。俺は気にしてないよ。もともと、家庭を持つ気はなかったから。でも、ナオとこうして夫婦になれて良かった。後悔してない」
「信孝さん、僕も同じ」
そう返すと、ありがとう、と彼。
そして、小声で、そっち行ってもいい?
そう聞かれて、今更のように、急に恥ずかしくなった。
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