焼きもち

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「ナオ!」 入れ違いに今度は信孝さんが姿を現した。仏頂面して見るからに機嫌が悪そうで。 「他の男に色目使うんじゃない」 開口一番、龍さんがさっき光希さんに言った台詞を口走った。 「俺みたいな30過ぎのオヤジより、龍みたいに若いのがいいくらい分かってるよ。でも、俺は何があっても、ナオを離す気はないが」 洗濯かごを持つ手を掴まれた。 「昨日の続きをしよう」 熱っぽい視線を向けられ、どくんと胸が高鳴り、腰の辺りが甘く疼いた。 でも、今はだめ!やることが山のようにあるから。 「洗濯しないと」 「そんなの、いつでも出来るだろ。あと、茉弓の事は、あとでちゃんと分かるように説明するから」 ぐいぐいと引っ張られ、彼の部屋に連れていかれた。 「信孝さん待って!」 「十分待った。これ以上は待てない」 ベットに寝転がされると、彼がすぐに覆い被さってきた。 「愛してるよ・・・ナオ・・・」 大好きな彼に、真摯な眼差しで見詰められたら誰だって嫌とは言えない。こくっと頷くと、嬉しそうな笑顔を見せてくれた。 「僕は、信孝さんがいいの・・・大好きなの・・・だから信じて」 「ナオの実年齢が何歳か分からないけど、だいたい10代半ばだとして、下手したら15才も年が離れている事になる。俺の方がナオより先に年を取るーーそれでもいいのか?本当、ごめんな、焼きもち妬きで・・・しつこくて・・・あぁ、もう!自分で何を言ってるのか分からなくなった」 「焼きもちって・・・さっきのあれ、焼きもちだったの?」 「そうだよ。悪いか?」 「ううん」真面目な表情から一転、ふてくされ頬っぺたをこれでもかと膨らませたりと、くるくる目まぐるしく変わる彼の表情がおかしくて、必死で笑いを堪えた。
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