焼きもち

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「折角のいい雰囲気が、これでは台無しだな」 くすりと笑い、信孝さんが左の指を絡ませ、何か固いものを掌に置き、包み込むようにそっと手を握ってくれた。 「えっ!?何?」 そぉーと掌を広げると、そこには、銀色に光輝く指輪があった。驚いて彼を見上げた。 「もうじき、”縣尚”という新しい戸籍が作られる。そうなれば弟ということにはなるが、俺は、ナオを”妻”として家族に引き合わせたい。龍も、光希を”妻”として家に連れ帰るみたいだし・・・まぁ、反対はされないだろう。俺は、生半可な気持ちで付き合いたくはない。君には、妻として一生涯側にいて貰いたいんだ。ナオだけを愛したいーー愛させて欲しい・・・」 仕切り直しとばかりに、真摯な眼差しで再度、見詰められ、ドキドキしていると、左手の薬指に指輪を静かに嵌めてくれた。 「信孝さん・・・」 見詰め返すと、彼の口唇がゆっくりと近付いて、慌てて目を閉じた。 「・・・っ・・・ん・・・」 唇が重なり、ぬるっと挿いってきた舌に、歯列や、上顎を撫で回された。執拗なくらいに舌を絡ませ、吸い上げられた。 いつもと違う濃厚な口付けに、頭の中がくらくらしてきた。 「信孝さん、なんか、いつもと違うよ」 「だって、大好きなナオが腕の中にいるんだよ。こんな嬉しい事はない」 端から零れ落ちた一筋の透明な液を、指に絡め取り拭うと、その手をスエットの中に差し入れてきて、滑るようにお腹から上に這わせ、胸の小さな突起を指先で摘まみ、こりこりと揉み始めた。 「信孝さん、ちょっと待って・・・ふぅ・・・っ・・・」 鼻から息が抜けたような声が漏れた。
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