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穏やかな小春日の日曜日。
僕は、彼と、彼の婚約者である茉弓さんと3人で、駅前の大通りに立地するホテルのブライダルサロンにいた。
「ねぇ、さっきのと、これ、どれがいい?」
純白のドレスに身を包み、満面の笑みを浮かべる茉弓さん。妊娠6か月に入り、お腹がふっくらとしてきた。
「好きな方を選べばいいだろう?」
「だって、どっちもいいんだもの」
結婚式を一か月後に控え、幸せモード全開の彼女。
僕にはただ苦痛でしかなくて、顔を逸らした。
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