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それが信孝さんの唇だと気付いて、顔から火が出るくらい恥ずかしかった。
「茹でたこさんになってるよ」
くすくすと満面の笑みを浮かべる彼。指輪を撫で、
「早く慣れて欲しいけど、うぶなナオも可愛い」
そう言って耳朶をぺろっと舐められた。腰の辺りがモゾモゾと更なる甘い刺激を求め蠢くのが分かって、ますます恥ずかしくなった。
「更に真っ赤になってる大丈夫?」
「信孝さんが、その・・・エッチな事するから・・・だから・・・」
「仕方ないだろ?ナオが好きすぎて、可愛いすぎて、俺だって困っている。これでも理性を総動員して暴走しないように我慢しているんだよ」
信孝さんの思わぬ本音が飛び出し唖然としていると、耳元で何かを囁かれた。
(ほんの少し、耳、塞いでてくれる?)
訳がわからなかったけど、取り敢えずコクりと頷いて、耳を両手で覆った。
信孝さんの顔つきが一瞬で変わった。青筋を立てて、いちゃつく龍さん達をキリっと睨み付けると、握り拳を作り、壁をドン!と強く叩いた。
「お前ら・・・」
普段は優しくて穏やかな彼。その分怒るとかなり恐い。
「昨夜も人の目の前でいちゃつきやがって、ここは病院!龍、病室をラブホ代わりにするな!やりたいならラブホに行け!」
今まで一度も聞いたことのない、ドスの効いた低い声が室内に響いた。
光希さんにエッチな悪戯をしていた龍さんの手がピタリと止まり、静止画の様に動きが止まった。
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