第一部 第二章 五 少女の踊りとプロポーズ?

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「わからない。本当にわからないんだ。たぶん違うと思う。でも、限りなくお父さんに近い存在なんだと思う」 「ふぅん」わたしの答えを疑っているというよりは、そういうものなのかと感想を言っているような感じだった。「たぶんっていうことは、お母さんとセックスしたの?」 「ええっ?」少女がこんな直接的な質問をしてきたことにうろたえ、そしてこんな質問をできることに驚いた。今時の子どもはその程度の知識はもうあるのだろう。 「告白して、すぐに振られたっていうのは、嘘だったの?」 「いや、嘘じゃない。そう、僕は君のお母さんとセックスした。それから告白したんだ。そして振られた」 「そういう順番もありなんだ。じゃあどうしてお父さんじゃないと思うの?」 「それは」言葉に詰まった。「わからない。君のお母さんは子供の産めない身体だと言っていた。でも君は生まれた。わからない」  今はまだ言うわけにはいかない。どうやって納得してもらうか、いいあぐねた。 「おじさんもわからないことばっかりなんだね。でも、ありがとう」  どうしてか少女はそこであっさりと話を打ち切った。もっと追求されると思っていただけにほっとはしたが、肩すかしを食ったような気分でもあった。 「それにさっき言ったじゃない。はるか、おじさんの子どもになってもいいって。忘れたの?」     
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