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先輩に電話して話すしかないな。
二回のコールの後、先輩が出た。
『何だよ!』
「すみません。俺、バスが来たら乗りますんで」
『ああ?!』
「あと……二十分くらいで来るんですよ。新幹線の時間もあるし、明日からの事もあるんで。何か用事あります?急ぎでなければ、またメールでも電話でもして下さい」
『ふざけ……おわ!』
「どうしました?ってか、先輩、今何を……」
『何でもねえよ!とにかく待ってろよ!あと五分で着く』
「まさか、車運転しながら話したりしてます?違反ですよ」
『え!?そうなの?』
「切りますよ」
『待て、待って!絶対待ってろよ!』
「分かりましたから」
溜息を一つついて、携帯を下ろす。やけに焦っていた。どうしたんだろうか。忘れ物でも?――いや、それなら電話口で言うだろう。
考えても解らないことは考えないに限る。
再度、腕時計を確認すると、バスの到着時刻まであと十五分になっていた。
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