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好きでしょって、私はそんなこと一言も言ってないのに。
それなのに鏡の中の蓮くんはまた笑っている。その笑顔に唆されたかのように、私はおずおずと視線を移してから口を開いた。
「っ、蓮くんの指、入ってる……」
「そうですね。どの指ですか?」
「んっ、あ……人差し指と、中指っ……」
「はい。楓さんのここはどうなってますか?」
「うっ……! ん、あの、ひ、ひろがって、そのっ……濡れ、てる……っ」
「ふふっ、よく言えましたね」
後ろから蓮くんが頭を撫でてくれる。内容はどうあれ、褒められるのは好きだ。嫌な人なんていないだろう。
嬉しくて思わずへにゃっと笑うと、蓮くんが深いため息をつくのが分かった。
「……楓さん、それ反則です。もっといろいろしようと思ってましたけど、もう我慢できそうにありません」
「え……?」
「潮吹きは次回の課題ってことで。今日はもう、抱かせてください」
珍しく蓮くんの綺麗な顔から笑顔が消えている。羞恥と快感のせいで頭も体もよく働いていない私は、そんな彼にいとも簡単にベッドに転がされた。
そして私が抵抗も何もできないうちに彼は流れるような手つきでゴムを取り付けると、そのまま濡れきった私の蜜口に剛直を入れ込んだ。
「え、ああっ! やあっ、ぅああっ!!」
「んっ、く……、ごめんなさい、我慢、できなくて……っ」
「ひあっ、あぁんっ! あああっ、れん、くんっ……、おっき……っ!」
「っ、もう……! 楓さん、煽るのだけは上手ですねっ……!」
ぱんぱん、ぐじゅぐじゅ、と耳を塞ぎたくなるような淫らな音が聞こえる。それから蓮くんの荒い息も聞こえて、恥ずかしいのと同時になんだかくすぐったい気持ちになった。私だけではなく彼も気持ちよくなってくれているのが嬉しい。
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