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「あっ、楓さん、楓さんっ……好きです、楓さん、好き……っ」
「んああっ! や、れんっ、くんっ! わたしも、わたしも好きぃっ」
「っ、あっ、締めないで……っ、やばい、もう出そうっ……あっ、楓さんっ……!」
「蓮、くん……っ! ひあぁっ!」
あれ?
今、蓮くんは何て言った?
蓮くんだけじゃない。私も今、妙なことを口走っていなかっただろうか?
「っは、好き、好きです、楓さんっ……あっ、いくっ」
「ああっ、ぅんっ、あぁんっ、蓮くんっ」
蓮くんが私の体を強く抱きしめる。珍しく余裕の見えない彼の表情が色っぽくて、それだけでさらに蜜が溢れた。
そして汗や涎まみれの唇にキスをしながら蓮くんの指が私の淫核をとらえ、ぬちゃっと音を立てて再び剥き出しにした。そのうえ強く腰を打ち付けられて、私は声もなく果ててしまう。
同時に彼も達したのか、さっきよりも荒い息を吐いて汗を拭った。
どうやら、終わったらしい。
よかった、これ以上気持ちよくさせられたらどうにかなってしまうところだった。
散々焦らされた割にあっけなく終わったけれど、それくらい蓮くんも欲情してくれていたんだと思うと何だかほっとする。
「はぁ……楓さん、好きです」
「んっ、あぁっ……ん、すき……」
あれ?
また何かおかしなことを囁き合っている。しかも濃厚なキスのおまけつきで。
これではまるで恋人同士の睦言みたいだ。これで合ってるんだっけ。
ていうか、蓮くんって私の何なんだろう。
友達?
いや違う。友達とこんな汗だくになってセックスはしない。
恋人?
いや違う。「付き合おう」なんて一言も言っていないし、私たちはまだ知り合って間もないのだ。
それじゃあ、セフレというやつだろうか?
いや違う。そういう関係の場合「好き」なんて言わないはずだ。
そのどれでもないなら、私たちのこの不思議な関係は何なのだろう。このままでいいんだろうか、という漠然とした疑問が浮かぶ。
でも蓮くんの執拗な責めに体力を使い果たした私は、そんなことを脳内でぐるぐると考えているうちにいつの間にか眠りに落ちていた。
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