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そんな、超売れっ子遊佐の毎日は多忙だ。 彼の分刻みのスケジュールは、超一流に相応しい敏腕秘書の川嶋が完全に管理している。 朝が弱い遊佐は、早朝からの仕事を嫌うため、施術もカウンセリングも、午前11時より早い時間には入れてはいけない。 その代わり、夜は日付の変わる前までに全てが終わるような予定なら、遅い時間に組んでも叱られることはない。 遊佐にしかできない施術、或いはごく一部のお得意様以外の仕事は、なるべく彼が経営している別のクリニックに回すということも、川嶋の判断に任されている。 川嶋の仕事は、完璧なスケジュール管理の他に、遊佐に届く大量のお礼や賄賂や依頼や招待状などの郵便物、送付物、或いは直接持参する物をさばくというものがある。 遊佐は、できないことはカウンセリングの段階ではっきり告げるし、引き受けたことは相手の満足が得られるように完璧にこなすので、恨みを買って危険物が送られてくるようなことはほとんどないが、逆にストーカー的な危険物はかなりの数あると言っていい。 送付物に扇情的な自撮り写真や使用済みの下着が入っているなど可愛いもので、盗聴器、発信器、盗撮用カメラなどがついてくることもよくあることだ。 それらの危険な送付物を全て処分し、必要なものだけを重要度順にすぐ確認できるよう整理してボスに渡す。 もちろん、逆も然り、だ。 お得意様宛のお知らせや季節のご挨拶、そういったこちらから送るものについても、彼の仕事である。 そんなこと、秘書としてできて当たり前の仕事だが。 遊佐はいつも、川嶋の仕事ぶりを非常に買ってくれている。
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