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その時、突然ドアがノックされた。
瀬里姉ちゃんだった。
瀬里姉ちゃん…ユウちゃんのお母さんである紗羽さんが四姉妹の長女で、私の母の志津代が次女、瀬里姉ちゃんは四女である。
だから「姉ちゃん」と呼んでいるけど私に取っては本当は叔母に当たる。
瀬里姉ちゃんは二十一歳…美大の三年生でグラフィックアートを専攻している。
そしてもう一つの顔は売れっ子の同人作家の顔だ。
勿論、18禁BL本である。
同人作家の端くれを標榜する私に取って瀬里姉ちゃんは大先輩であり目標である。
その瀬里姉ちゃんが突然部屋にやって来たのだ。
「おっ…い!…何だ?この座敷わらしは?何で座敷わらしが緊縛監禁されているんだ?」
「ああ…、友達の妹なんだ。学校の劇の発表会で縛られるんで、その前に体験して置きたいっていうから預かって協力している。」
「これ、お前が着せて縛ったのか?」
「あ?…うん。」
「お前、ちょっと見てないうちにえらく腕を上げたみたいだな。ちょっと後でスケッチさせろよ。」
「…そりゃ構わんけど…」
「しかし良く見ると可愛いな、この座敷わらし…何歳だ?」
「…え?…っと、小四…だったかな…?」
「おっふ!まだ幼女だな…いや…ギリ少女か…」
「まあ、刑法上は十四歳未満なら皆一緒でしょ?何時も言ってるじゃん。瀬里姉ちゃん。」
「おう。お前、それが分かっているなら良いが。大丈夫なんだろうな?」
「本人のたっての希望なんだ…ギチギチに縛って猿轡してほしいって…」
「成る程な…道理で完全に縄酔いが決まってるわ…こんなにきつい猿轡されて真っ赤な顔して肩で息しているのに、この恍惚の表情だもんな…この子、真性の縄マゾだぞ。」
「姉ちゃんもそう思うか?…縛ってくれとそれこそ悲痛な表情ですがりつく様に頼まれたもんだから…ちょっと軽い気持ちで引き受けてしまったんだが…」
「どうした?持て余しているなら手を貸すぞ。」
「いや…ちょっと考えてみる。ありがとう瀬里姉ちゃん。」
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