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…そしていよいよ…
えへんえへん…
縄が出てくる訳なんだが…
やべっ、鼻血吹きそうだ…
ユウちゃん。それは反則だぞ。
そんな可愛い着物姿で正座して、両手首を背中で重ねて、縛ってくださいだなんて…
おうっい…又変な声が出ちまった…
おうっ、縛ってやる。縛ってやるとも!
縛りの基本は高手小手だ。ユウちゃん。お前、身体が柔らかいな。縛り甲斐があるぞ。
…しかし、紬の着物に縄を掛けると、こう衣擦れの音と麻縄の縄鳴りが重なって…
得も言われぬ風情があるなぁ…
…こう、脇の下に閂を通す時なんか…絹がキュッと鳴く感じは…和装緊縛の醍醐味と言うか…
古い桐の箪笥の匂いやら樟脳の香りやらが麻縄の匂いと混ざり合って…
ああああっ!この興奮っ!
着物と縄って…何でこんなに血が騒ぐんだろう。
…とか何とか言っているうちに上半身の縛りは出来上がりだぞ。ユウちゃん、気持ち良いか?
何だ何だ。顔赤くして小鼻膨らませて…
そんなに気持ち良いのか?
何だ何だ?譫言のようにブツブツと…
…ああ、捕まっちゃった…捕まっちゃった…捕まっちゃった…
すっかり自分の世界に没入しとるな。こいつ…
おいっ。ユウちゃん。脚はどうする?普通に真っ直ぐに縛るか?
…ダメだ。こいつ、完全に自分の世界に入っちまってる…
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