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1 樫飯さんの後姿は尊し
カッ、カカッ、カッカッカカッ!
カッ、カカッ、、カッカッ!
佐々木先生が猛スピードで板書しながら、機関銃のようにまくしたてている。
「厳島の合戦の前哨戦、折敷畑の戦いにおいて…(長くて面倒なので大幅に中略)…なわけですねー」
スースースースー。気持ちよさそうな寝息が教室の真ん中から聞こえてくる。田中くん、例によって日本史の時間は睡眠時間。
先生がジロっと寝息の方を睨みながら、
「おーい。みんな、ちゃんと聞いてるかー。それとも寝てるのかなー。春眠暁を覚えずとはいうけどもー」
スースースースー。寝息は動じることもなく続く。
退屈な授業。そもそも早口すぎて誰も聞き取れないし、だから分からない。みんな欠伸を噛み殺すのに必死(寝ている田中くんを除く)。
板書の字も汚いし。誤字だらけだし。
しかも書いてはつぎつぎ消していくので板書を写すのが追いつかない。学習委員の高橋くんが写真を撮って、即座にSNSに流してくれるからいいようなものの(ちなみに以前、授業の音声データもアップしてくれたことがあったけど、誰も聞かないので、録音はやめたようだ)
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