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「のうのう、田中氏、高橋氏、おぬしら本家本元がやらんと、イマイチ盛り上がらんのじゃ」
「誰が本家本元じゃ」と高橋が。
昼休み恒例のチャンバラごっこ。もういいかげんオレらをネタにするの、飽きてくれないかな。
「もうあの奇跡の武将コンビ復活はないんか? つまらんのう」
「1日限定のスペシャルコラボだったんで。再結成の予定は未来永劫ございません」とキッパリ言い切るオレ。
「な、高橋?」
「左様、いかにも」って、その返答は……
「え? いま何て?」オレは一気に青ざめた。
「なんと! サプライズ再結成キター!」無責任に盛り上がる野郎ども。冗談じゃない。
「オレは再結成するなんて一言も! 高橋、悪い冗談はよせ」
「冗談? 冗談とは何のことじゃ。ワシは結成やら、再結成やら、興味はないわ。ワシが乞い願うものは唯一つ、それは……」
「それは?」
「……それはここでは言えぬ」照れて真っ赤になる高橋。
「高橋くん?」とオレ。
「なんじゃ」
「今、ふざけてるよね? 小芝居ヤメレ」
「小芝居とは失敬千万なり」
「高橋くん? 陶晴賢って誰だっけ?」
「ス、スエなんだって? ハルカタ?」
「高橋よ。武将が乗り移ってるなら主君の名を知らない訳がない」
「ちっ、バレたか」
「心臓に悪いからそういう冗談やめて、マジで」
「悪い悪い」
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