3 ござるウイルス

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「田中よー、ノリが悪いてお前。せっかく高橋がその気になっとるんじゃけえ」と外野たち。  悪いが君ら外野の期待に答える義理はない。 「ごめん、だから再結成はないって。ほら、昼休み終わるし」 「あーあー、ぶちつまらんのー」  午後の授業とSHR(ショートホームルーム)が終わって、掃除の時間。  当番も委員会も部活の予定も何もないオレがさっさと帰宅しようとしていると、権藤が近づいてきた。おまけによりによって樫飯さんを引き連れているではないか。 「ちょっと田中くん。話があるんだけど」 「なんでしょう」 「ここじゃちょっと」 「話ってこの三人で?」樫飯さんも一緒ならぜひお願いしたいです。 「プラス高橋くんも」 「え、ダブルデート?」 「なんでだよ。それじゃあ私が取り合いになって、樫飯ちゃんが可哀想だろー」  それって逆じゃあ、とも言えず。 「それ逆だろ、とかツッコめよー。私がスベったみたいじゃん」  ツッコんでよかったのか。いや無理じゃろ。もっとツッコみやすいボケでお願いします。 「とにかく人のいない場所で」とスベり芸人。  人がいなくて自由に使えるとなれば郷土史研究会の部室。何せ年中開店休業中だし、顧問は「幽霊」だから見に来る心配もない。     
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