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部室に四人が集まり、扉も閉ざしたところで、権藤が、あれはネタではなかったはず、と、迫ってきた。
「ほんとに戦国武将が憑依してたんでしょ、発掘の日」
どう答えるべきか迷って高橋と顔を見合わせる。
「だったとしても、あんたたちのこと残念なオカルト野郎とか思わないから安心して」
いや権藤にどう思われても一向構わないのだが、問題は樫飯さんがどう思うかで。不安になりつつ樫飯さんを見ると、急に樫飯さんが質問してきた。
「田中くん、綾姫って誰なの?」樫飯さん、気にしてたのか。
「ごめん、正直分からん。オレに聞くより高橋に聞いたほうが。なあ高橋」
そう話を振ったが、高橋はただ蒼ざめて黙っている。
「ねえ高橋くん、綾姫って誰なの? 知ってる人?」
「それ、答えなきゃダメか?」と高橋。
「だって気になるよね」と樫飯さん。
「なるなる。気になる姫だわー」と権藤「綾姫って可愛いのかな?」
「そこ? そこが気になるポイント?」と樫飯さんがずっこける。
「綾姫は、とても可愛いよ」血の気が引いて蒼白になった高橋が答えた。
「黒い髪が長くて、ちょっと樫飯さんに似てる」声が微かに慄えている。
「えー、可愛いんなら似てるのはわたしのほうじゃん」とふざける権藤「だからー、ちゃんとツッコめよー」権藤、それツッコみづらいから。
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