4 保健室の戦国武将

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「だあー! 朝っぱらからこのハゲ頭を拝むんかい」 「眩しいんじゃボケが」 「眩しい? 目が覚めるっしょ」 「ヅラでも被らんかい」「福岡みたいにのー」「あれはヅラやのうて植毛じゃ」  そんな騒ぎの中、音も立てずに扉をそっと開け、彩乃ちゃんが長身を屈めて抜き足差し足、なるべく気配を消しながら入ってきて、そっと私の後ろの席に着席した。  ま、いくら気配を消してるといっても、華やかすぎる美女オーラはダダ漏れだわ、先生のすぐ目の前を通るわで、そりゃ気づかれない訳がない。 「おやおや、大木さんおはよう。重役出勤かい?」 「あ、おはよーございまーす」と彩乃ちゃんは小声で返事。そこではじめて異変に気づき大声に「あっれー? なんで佐々木先生が?」  同じ説明を繰り返した佐々木先生、最後に「ま、さっき一度説明済みなんだけどさー」 「すいませーん」殊勝げに謝った彩乃ちゃんだったが、先生が連絡事項を喋りだすと同時に、背中をツンツンしてきた。 「ねえねえ、膝枕したって?」と目を輝かせている。 「なぜそれを」 「なっぴが教えてくれた。私だけにって」なっぴ口軽すぎ。 「もー、言いふらすなよなー」なっぴを睨むと、こっちを見てイタズラっ子みたいに笑っている。     
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