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日常は風が吹けば崩れる
あれから何日が経っただろう。遂に選挙当日を迎えた。私達はA氏に投票をした。そろそろ結果発表だ。
「結果を発表します。A氏三百五票、B氏三百票、棄権二十五票。よって、A氏が新大統領となります。」
会場は二つの陣営に別れていたはずだか、皆が新しい大統領の誕生に拍手を送った。
しかし、新大統領は、悪政をひくようになった。自分に少しでも反発する者は、厳しい弾圧をした。そして、国家の安全のみならず、外国の紛争などにまで手を出すようになった。外国と戦争にでもなれば、大勢の死者が出ることになる。しかし、厳しい弾圧を受けると思うただ立ち竦むのみで何も出来なかった。
ある日、恐れていた事態が起きた。以前に外国へ攻撃した時に壊滅させた武装集団の残党がテロを起こしたのだ。幸い、建造物や施設以外に被害はあまり出なかったが、大統領はこれに激怒した。すぐに国会を開き、国民を戦争に動員できる戦争時召集法を強行採決した。そして、残党がいる国に明くる日、宣戦布告をすると言ったのだ。これには私の議員達も密かに反発した。
「国民全員を死なせるつもりか」
「しかし弾圧のもとでは何も出来ない」
「どうすれば良いんだ…」
私は、迷っていた。自分を捨てるか、国民を捨てるか。悩んだ末、私は覚悟を決めた。
「自分を捨ててあいつを裏切る」
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