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「……負け『でいい』?」
「ヒッ!!」
和馬が触れたのは、腿や胸でも憐れな俺のムスコでもない、もっと後ろの……。
「や、やだ!! そこはやだ!!」
身体をねじったり足をばたつかせたり、動ける精一杯の範囲で抵抗してみる。
何気なく振り上げた右足が和馬の顎へと入ってしまった。
「あ、ごめ……」
俺は和馬の顔を見て、反射的に出た謝罪の言葉も吹き飛ぶくらい後悔した。
「あーあ、今のはちょっとカチンときた」
後悔先に立たず。だからと言って起こしてしまったことを無かったことにもできない。
「お前、泣かす」
その言葉が耳に入ると同時に俺は、俺の貞操を守ることを諦めた。
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