8章

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8章

インストガンの轟音(ごうおん)が鳴った方向へと足を進めるアンたち。 アンは、奥では戦闘が始まっているはずなのに、と静かなことに違和感を覚える。 薄暗い道をしばらく歩くと、奥から明かりが見えた。 そこにいたものを見て、リードが思わず()()る。 「な、なんだこいつら!?」 そのフロアに入ると、そこには数体の機械が(たたず)んでいた。 もう少し正確に表現すれば、特異な形状の鎧甲冑(よろいかっちゅう)のような姿をしている人の形をしたものだった。 メタリックな白い装甲が、照明に当てられて輝いている。 よく見ると5体はいる機械人形。 その1体1体の大きさは、160cmから180cmくらいとバラバラだったが、それぞれがまるで鬼神(きじん)のような威圧(いあつ)感を放っていた。 この廃墟に住んでいた新種のキメラか、反帝国組織バイオ・ナンバーの兵士なのか――。 真っ白な機械人形たちは、アンたちを確認すると突然向かってくる。 アン、リード、ストラ、レス四人がインストガンを構えた。 隊長のモズは右手を振って、「()て!」と命じる。 次の瞬間、轟音が響いた。 インストガンによる銃声ではなかった。     
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