30章

4/6
前へ
/162ページ
次へ
シックスは、オートマタに向かって、鋼鉄の手甲脚甲を付けた腕と脚を振り回していく。 だが、簡単に倒れない。 身長210cm体重99kgはある屈強な体を持ったシックスの攻撃でも、機械兵オートマタは倒れない。 「下がれよシックス!! いくらお前でもその数を相手にするのは無理だ!!!」 ブラッドがエヌエーに続いて叫んだ。 だがシックスは――。 「俺はあきらない……」 そう(つぶや)いた瞬間に、シックスの周りに激しい風が吹き始めた。 その風は、シックスの両手両足に巻き付いていく。 「それが親父の……反帝国組織(バイオ・ナンバー)の意志だ!!! 俺はこの体が動き続ける限り、ストリング帝国と戦う!!!」 シックスの嵐のような咆哮(ほうこう)。 それから、風を(まと)わせた拳をオートマタを頭部を打ち込んでいく。 拳が当たった瞬間に、風が竜巻のように巻き起こる。 先ほどはダメージすら与えられなかったが、今度の攻撃はオートマタの頭部を破壊した。 「……やっぱりあいつは特別だな」 メディスンがポツリと言った。 そして言葉を続ける。 「いまわかったよ、あいつは風が(あやつ)れるから特別じゃないんだ。あの()るがない意志こそが……」 「なに言ってんだよ、メディスン」     
/162ページ

最初のコメントを投稿しよう!

128人が本棚に入れています
本棚に追加