30章

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ブラッドがメディスンの言葉を(さえぎ)った。 「シックスの意志は親父の意志だ。俺はてめえのことが大嫌いだがよ、あいつはお前のことを信頼している。あんな目にあわされたってのにな。……メディスン、てめえがてめえなりにリーダーの意志を()いでいたんだってことはわかってんよ」 「ブラッド……」 名を呼び、その後の言葉が出ないメディスン。 そんなメディスンにエヌエーが言う。 「いまこそ私たちの意志をひとつに」 顔を合わせた3人は、そのままシックスの後に続いていった。 そこから反帝国組織(バイオ・ナンバー)猛烈(もうれつ)な反撃が始まったが――。 「全員、それまでだ!!!」 さらに激しくなる戦場に、抜けのいい美声が響き渡った。 その声に、ストリング帝国の機械兵も反帝国組織(バイオ・ナンバー)の者たちも動きが止まる。 声の先には 金髪碧眼(きんぱつへきがん)のロングヘアの女性――キャス・デュ―バーグが白く光る刃ピックアップブレードを(かか)げて立っている。 キャスは凛々(りり)しく前を見つめて続ける。 「これ以上の戦闘は、互いに被害を増やすだけだ。ストリング帝国の将軍として、両陣営に対し一時休戦を申し出る!!!」 キャスの後ろにいたアンは思う。     
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