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そう言ったキャスは、手に握っていたピックアップブレードを、ノピアに向かって突き出した。
ブレードの柄から、白く光る刃がノピアへ向けられる。
「今回でのことはすべて皇帝に報告させてもらう。覚悟しておくんだな」
静かな物言いだが、迫力があるキャスの言葉。
ノピアは、右手を頭にやり、俯きだした。
その様子を見たキャスは、勝ち誇った顔をする。
「せいぜい自分したことを悔やむがいい」
吐き捨てるように言ったキャス。
だが、ノピアは急に大声で笑い始めた。
「気でも狂ったのか? なにがそんなにおかしい?」
「失礼、ちと下品だったかな。キャス将軍、それなら私も皇帝に報告させてもらおうか」
「お前がなにを言おうが無駄だ。そこにいる兵士たちも見ている。言い逃れはできんぞ」
「それなら問題ない。彼らはもう人間じゃなくなる」
ノピアの台詞を聞いた帝国の兵2人が、あたふたしながら訊く。
「あ、あのノピア将軍。キャス将軍は我々を裏切ったのではないのですか?」
「それに、我々が人間じゃなくなるとは一体……?」
帝国の兵たちが言葉を発した瞬間――。
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