31章

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そう言ったキャスは、手に握っていたピックアップブレードを、ノピアに向かって突き出した。 ブレードの(つか)から、白く光る刃がノピアへ向けられる。 「今回でのことはすべて皇帝に報告させてもらう。覚悟しておくんだな」 静かな物言いだが、迫力があるキャスの言葉。 ノピアは、右手を頭にやり、(うつむ)きだした。 その様子を見たキャスは、勝ち(ほこ)った顔をする。 「せいぜい自分したことを()やむがいい」 吐き捨てるように言ったキャス。 だが、ノピアは急に大声で笑い始めた。 「気でも狂ったのか? なにがそんなにおかしい?」 「失礼、ちと下品だったかな。キャス将軍、それなら私も皇帝に報告させてもらおうか」 「お前がなにを言おうが無駄だ。そこにいる兵士たちも見ている。言い逃れはできんぞ」 「それなら問題ない。彼らはもう人間じゃなくなる(・・・・・・・・)」 ノピアの台詞(せりふ)を聞いた帝国の兵2人が、あたふたしながら訊く。 「あ、あのノピア将軍。キャス将軍は我々を裏切ったのではないのですか?」 「それに、我々が人間じゃなくなる(・・・・・・・・)とは一体……?」 帝国の兵たちが言葉を(はっ)した瞬間――。     
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