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急速に変化していく筋肉と骨が、メキメキと鳴ったかと思うと、今度は金属同士がぶつかり合う音が鳴り始めた。
そして、一瞬で二人の姿が白い鎧甲冑へと変わる。
「オオオアァァ!!!」
機械化した2人のデジタルな咆哮。
機械人形――オートマタの姿になった。
「マシーナリー・ウイルスだ……」
アンが後退りしながら呟いた。
その表情には恐怖の色が見て取れる。
「これでもう心配はいらないな」
「貴様!! 自分の立場のために側近を!!!」
キャスが軽蔑の叫び声をあげた。
笑みを浮かべたノピアは、キャスの横にいるアンの姿を見て言う。
「アン、君もいたんだな。丁度よかった。ふむふむ……。では、こういうシナリオはどうだろう?」
ノピアは両手を広げて、演説でもするかのように話を始める。
「キャス将軍は、脱走したアン・テネシーグレッチを見つけて、反帝国組織へ寝返ったというのは?」
ノピアが言うに――。
完全に機械化せず、自我を保ったままオートマタの力を使えるアン。
その力に目が眩んだキャスは、力を自分のものにするため、アンと共に反帝国組織へ――。
というのが、ノピアのいうシナリオだった。
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