32章

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「あれは、私以外にも力がある人間がいたことに驚いただけだ。お前の話では外の世界ではめずらしくないんだろう。それよりもノピアを倒す。手を貸してくれ」 キャスの言葉にもちろん(うなづ)くアン。 2人はノピアの乗った戦闘車両――プレイテックを追いかけたが、すぐに機械兵オートマタに囲まれた。 全方位――。 インストガンから放たれた電磁波と、オートマタの白いメタリックな腕が、アンとキャス目掛けて飛んでくる。 2人はピックアップブレードで、それらを(はじ)き返すが、如何(いかん)せん相手の数が違い過ぎた。 オートマタの白い腕を受けて下がったアンが、キャスと背中合わせになる。 「キャス、さっきみたいにこいつらを吹き飛ばしてくれ」 「ダメだッ!」 キャスは、インストガンを撃ってくるオートマタの心臓部に、ピックアップブレードの白く光る刃を突き刺して返す。 「いま吹き飛ばしたら、他の人間に被害が出る」 「だったら――」 キャスに胸を刺されたオートマタが反撃をしようとしたところを、アンがブレードで打ち返しながら言葉を続ける。 「加減してやればいい!!」 「そんな都合のいいものじゃないッ!! できたらとっくにやっている!!!」 倒しても倒しても現れるオートマタ。 アンとキャスに疲れが見え始めたとき――。 2人の顔に風が吹いたと思うと、目の前にいた機械兵の頭部が蹴り飛ばされる。     
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