32章

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その蹴りでひび割れた頭に、突撃銃――ステアーACRのダーツ状の弾体が発射され、オートマタは倒れた。 「大丈夫か?」 シックス、ブラッド、エヌエー、メディスン4人が2人の傍に()け付けた。 「シックス、ブラッド、エヌエー! それと……お前はいいや……」 アンが無愛想にメディスンに向かって言うと、彼は、うぐぐ、としか返せなかった。 エヌエーが困った笑みを見せて言う。 「アン、こんなときにそんなこと言わないでよ」 「いや、大事……悪いことのツケは大事」 アンは(つぶや)くよう言った。 「そんなことより――」 メディスンは、アンに冷たくあしらわれたため、嫌な顔をしたままだったが考えを伝えた。 こちら――すなわち反帝国組織(バイオ・ナンバー)の残りの戦力を使って、オートマタや前線にいるプレイテックを足止めする。 その間にアンとキャス、そしてシックスで、最後尾まで下がったノピアの乗るプレイテックに向かう。 シックスが心配そうに訊く。 「だが、それではもたないだろう。敵の数の方が圧倒的に多い」 メディスンは、不機嫌な表情をしたままで何も答えない。 ブラッドが笑顔で言う。 「敵の大将はお前たちに(ゆず)ってやろうって話だよ。だからこいつはイライラした(つら)してんだ。ホントは自分が行きてぇんだもんな」     
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