33章

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そして、とうとう敵陣(てきじん)の最後尾に到達(とうたつ)した。 ノピアの乗るプレイテックが、頭部に付いたインストガンで電磁波を放出し、近づけないように牽制(けんせい)してくる。 だがアンは、(ひるむ)むことなく正面からブレードで斬り込んでいった。 プレイテックのボンネット部分に、白く光る刃が(きざ)まれる。 キャスとシックスは、それぞれ敵車両の左右に回り込む。 キャスは(てのひらを)を向けて、勢いよく水を(はな)ち、水圧で窓ガラスを割り、フロント、リアドアを破壊していく。 シックスは両手の掌を合わせてから、それを大きく振りぬくと風が刃物のように飛んでいき、プレイテックの車体が切り刻まれる。 激しい攻撃により、戦闘車両は完全に大破(たいは)した。 アンがボンネットに飛び乗り、運手席を見下ろして叫ぶ。 「もうお前の負けだ!! 大人しく投降(とうこう)しろ!!!」 それに答えるように(つぶや)きが聞こえ始めた。 「最悪だ……今日がこんなに最悪な日になるとは思ってもみなかった……」 ノピアが、割れたフロントガラスから身を乗り出していた。 上半身がアンの目の前に(さら)されても、ノピアは独り言を続けている。     
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