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「いいかい、アン・テネシーグレッチ。古い偉人の言葉にこんなものがある。人間には生まれたときにから決まっている役割というものがあるんだ。人の上に立つ者、それに従う者といったようにね。この世はけして平等ではないんだ」
「だったら上に立つ者、力のある者は、従う者や弱い者を助けるべきだろう!」
「助けるべきだと? 君は本当にストリング帝国で生まれたのか? あの文化、環境でそんな考え方に育つはずがないんだが」
「私には他人のために自分を犠牲にできる家族がいた。それに恩人や仲間たちがいつも教えてくれたんだ。大事な人の力になることをな」
「それは、君がその人間たちと同レベルの階級だからだよ。人間は、犬猫に情は湧いても同等には扱わないだろう」
「ノピア、お前は身体が機械化する前から心が先に金属になっていたんだ。いまのその姿がお前にはお似合いだ!!!」
ノピアはアンに苛立ったのか、掴んでいた彼女の足を振り回して地面に放り投げた。
激しく叩きつけられたアンに駆け寄るキャスとシックス。
そして、アンの足を見たキャスは青ざめてしまう。
「アン、お前……この足は……?」
アンの足はノピアに掴まれたせいで、あらぬ方向へ曲がっていた。
キャスは足を見た後、アンの顔を見る。
そこには、まだ戦うことを諦めていない眼が力強く輝いていた。
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