2章

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そんなアンに、軍隊にいた者たちは誰も近寄らなかった。 アンは、いつも無愛想で、心無いことをつい言ってしまうところがあったからだ。 それもあって、これから会う者たちはアンにとって数少ない友人である。 街をしばらく歩き、アンが足を止めた。 そして一軒の家の前に立ち、ドアをノックしながら声をだす。 「ストラ、レスいるか? 私だ、アンだ。開けてくれ」 その声を聞いて、ドアがゆっくりと開かれた。 「おはよう、ストラ」 家の中から出てきた人物を見て、無愛想なアンの顔が微妙(びみょう)に笑顔になる。 それは、わかる人間にしかわからないアンの喜びの表情だった。
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